『八雲紫は此処にいる』を書き終えて

ネタバレありです。



今回の作品は、短い割りに、結構苦戦した作品でした。
というのは、いくつかわけがありまして、まず主語を書けないということがあります。
物語の主人公がミスリードの対象ですから、書けるわけがありません。
そうすると、自然に一人称体で物語を進めていかなくてはいけません。
これがなかなかどうして難しい。
普段私は、一人称体と三人称体を使い分けて文章を書いているのですが、それができなくなると、途端に描写の幅が狭められてしまうのです。
もちろん、一人称体で、十分に描写できている作家さんなんて沢山いますので、私の実力不足の一言で片付けられてしまうのですが。

二つ目に、どこまで描写すればいいのかという点で頭を悩ませました。
私が用意していたミスリードは二つ。話が未来であるということと、主人公が橙だったということ。
未来であるということは、別にバレてもいいことでした。むしろバレてくれないと困る。その理由としては、「ああ、作者は読者に、実は未来の話でしたー、と思わせたいんだな」と思わせて、『実は橙』の隠れ蓑にしようと思ったからです。
しかし、あからさまに、未来! という描写をすると、二つ目が隠されていると気付かれそうなので、控えめな描写にせざるを得ない。
未来だということをバレさせない描写で、しかし確実にバレる必要があったのです。

なんか、わけわかんなくなってきましたね。私もわからない。

『実は未来』を描く一方で、『実は橙』な描写もしなくてはいけなかったのが、三つ目です。
こちらは、絶対にバレてはいけない、しかし、確実にヒントは落としておかなければ、ミスリード作品として失格。
「ちょっとぬるめのお茶」なんて、わざとらしすぎやしないか、ヒヤヒヤものでした。実際に、わかってしまった方もいますしねw

色んな点で、さじ加減が難しい作品でした。


そして、あとがきでも書きましたけど、こんなにも沢山の読者さんが評価してくださって、本当にびっくりしております。
自分の作品って、ネタ思いついた時は「やべ! これ超面白い!」って思うんですけど、何度も何度も推敲していくうちに、「これ、どこが面白いんだ?」って思うようになっちゃうんですよね。
だから、「短いし軽いから、3000点いけば万々歳だな」と思っておりました。
なので、5000点を超えたときは、びっくりもしましたし、嬉しくもありました。

読者の皆様、本当にありがとうございます_。__


長くなってしまいました。
まぁ、わざわざこっちに来てまで読む人なんてほとんどいないだろうから、別にいいよね。

それでは失礼いたします。
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by hadukivanhouten | 2009-12-02 20:28 | SS


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